ぼくらは、年に一度、ある場所へ呼び出される。
みな同じ服を着せられ、準備ができると強引に移動させられる。
ぼくは、集団の中の中間のほうに位置していた。
列をなして歩き、少しでも隊が乱れると、容赦なく怒号が飛んでくる。
単独で行動することはもちろんアウト、私語などもってのほかだ。
数分歩かされた後、例の場所に到着した。
薄暗く、湿気でじめじめしている。
この場所は、夏は蒸し風呂のような状態になり、冬は冷凍庫のように冷える。
地獄のような場所だ。
中に入ると、既に2,3個の隊が到着していた。
みな、死んだような目でうつむきながら座っている。
ぼくたちは、その隊の横につけ、同じように腰を下ろした。
時間が経つにつれ、徐々に隊が増え、場内は人であふれかえった。
「起立っ…!!!!!!」
突如、叫び声に等しいような号令が場内を震わせた。
ぼくらは、飛び跳ねるように立ち上がる。
気づかれないように、ほとんど体を動かさずに首と目だけを使って、
直立している前の者の肩越しに前方をのぞいた。
すると、目の前にあらわれたのは、誰もがみたことあるであろう、
あの殺人兵器が無機質に並べられていた。
通称”ギロチン”。
また、ぼくは殺されるのか。
視線を落とし、今まで起きた様々なことに思いをめぐらす。
あんなに、あんなに努力したのに。
ぼくの隊のメンバーに、次々と刃が落とされていく。
悲鳴をあげる者、無言で受け入れる者、逆に、この瞬間を楽しんでいる者。
ひとり、またひとりと執行されていくと同時に、ぼくの番が近づいてくる。
そして、ついにぼくの番号が呼ばれた。
ぼくの心臓は一瞬凍り付いた。そして、小さく返事をした。
ゆっくり立ち上がり、台に載せられた。
ぼくのすぐ後ろに並んでいた男と対峙するような形となった
驚くことに、その男はぼくの顔を見てにやついていた。
悪魔め。
その男から目をそらすようにして、下を向いた。
すぐ横には、執行人の気配が感じられた。
この現場を取り仕切っている男が、執行人に合図を送った。
いよいよか。
ぼくは、強く目をつぶった。
その瞬間、執行人によって、刃がおろされた。
頭に鈍い感覚が伝わったと同時に、執行人が大きな声で、こう叫んだ。
「162.0㎝!!!!!!!」
ぼくは、膝から崩れ落ち、意識を失った。
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みなさん、ごきげんよう。ちびくろです。
冒頭のショートストーリーは、いかがだったでしょうか?
あの物語の正体は、
低身長のぼくからみた「身体測定」の様子です。
お楽しみいただけたでしょうか。ぼくは書いてて楽しかったです(笑)
身体測定としてもう一回読んでみると、面白いと思います。
低身長のぼくにとって、身体測定は公開処刑です。
誰もいないところで盛大にこけたときより恥ずかしいです。
というか、正確に言えば、恥ずかしかった ですね。
過去形です。
そう、ぼくは低身長というコンプレックスから精神的に解放されたのです。
おそらく、この記事を見ている方の中にも
身長が低くて悩んでいる方がいらっしゃるかと思います。
今回は、その悩める子羊さんたちにむけて、書いていこうと思います。
身長に悩んでいた時、ぼくがまず最初に考えたことは、
「意外と小さい人っているんじゃね?」ってことです。
そう考えたぼくは、テレビに出演している、小さく感じられるような
芸能人を片っ端から調べていきました(170㎝未満)
そしたらなんと、出てくる出てくる!!
その一例を紹介します。
大野智(164㎝)
宮迫博之(167㎝)
神木隆之介(167cm)
タモリ(161cm)
他にも知りたい方は、下記のリンクへ↓↓
低身長の男性芸能人23選!小柄でも魅力的な人が多い【画像付き】
芸能人でも小さい方がいると知って、ぼくは
ものすごく元気づけられました。
何か一芸が秀でていれば、もしくは
人間性が素晴らしければ、このように第一線で活躍できるのか!
底なし沼から岸辺にひきあげてもらった感覚です。
それに加えて、一冊の本との出会いがぼくを
岸辺どころか快適な空の旅へと連れて行ってくれました。
その本が、こちら。
『嫌われる勇気』っっっ…!!!!!!!
この本は、僕の一生のバイブルになるであろう最高で最強の一冊です!!
↓↓以前書いた記事でも紹介しているので、そちらも併せてごらんください↓↓
その『嫌われる勇気』の一節に、こんなシーンがあります。
若き頃の哲人が、友人に低身長の悩みについて相談する場面。
友人は、その悩みを「くだらない」と一蹴したのです。
ぼくが哲人の立場だったら、確実にぶちぎれていたと思います。
が、この話には続きがあります。
友人は、続けてこう言ったのです。
「大きくなってどうする?お前には人をくつろがせる才能があるんだ」
目から鱗でした。もはや網膜でした。
そしてその瞬間、肩の荷がすっと下りる感覚がありました。
ぼくは、今までずっと、身長が低いことは短所だと思い続けていました。
しかし、逆もあるんだと。長所になることもあるんだということを知って、自分のことを受け入れられるようになりました。
身長が低くても、他のことを磨いたり、
長所にしていけば、大きい人とも渡り合えるんだ。
さて、この記事をみてしまったからには、もう言い訳はできません。
全ては、考え方次第です。
親から授かったこの命を、生かすも殺すもあなた次第なのです。
胸をはって、堂々と生きていきましょう。
『嫌われる勇気』に出てくる、ぼくの大好きな言葉を
さいごとしてこの記事は終わりとしたいと思います。
「大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うか」
それではまた。